みたもの

『装鬼兵MDガイスト』
 とりあえず前編だけ見たけれど、すごいかっこいい。マッドマックス的な世界観でパワードスーツ的なのを着た連中が戦争してて、そこに鎧を着たムキムキマッチョのおっさんが颯爽とあらわれ戦う、という導入なんだけど、影山ヒロノブのヒーロー的な主題歌に騙されてはいけない。端的に言って、このアニメの主人公ミスター・ガイストは悪人と言って差し支えない。
 そもそも初期設定の時点で、あまりに野蛮なため衛星に封印されていたのが事故で地上に墜落して覚醒っていう時点で尋常ではない。どう考えても悪役の登場の仕方ですわ。やってることも非道というか、戦いをゲームと捉えており、人を殺すことに大義などはなく、純粋にそれを行うことが楽しいからという具合。マァ、なんて野蛮。でもそういう行動理念によってしっかり筋が通ってるから、そこにかっこよさが見いだせてしまうんですわ。

 これは主題歌。あまり知名度が高くないような気のする曲だが、なにげに、名曲。この動画だと最後がちょっと切れてしまっていて残念。


沙羅曼蛇
 とりあえず一話。グラディウスはプレイしていて、沙羅曼蛇は未プレイ。それ以上の予備知識はない状態で見たもんだから、思い描いていた世界観とのあいだのギャップに驚いたといいますか。そこは新鮮だったんだけど、雰囲気が良かったのは正直最初の十分だけで、まあ今見ると普通のスペオペ、という感じ。ちょっと詰め込みすぎというか、きらいがあって、まあそこまで面白い作品じゃないな

 ……と思って見てたんだけど、話の途中、バカ王子が突然自分も敵への攻撃隊に加わると言い始めたあたりから、様相は一変。突如として大長編ドラえもんみたいなBGMが流れ始め、さらに王子の安否を心配していたはずの重臣も止めないで、なんの悶着もなく出撃。人間、衝撃的な事実にぶちあたると目と耳を疑うことがあって、そういう状態は俺も一度だけ経験があるが、まさかアニメを見てそうなるとは夢にも思わなかった。
 んでもってそこからさきはかっこいいし、結構面白いからなんとも言えない。

 と、ヘンテコな部分は置いといて、一応このアニメの見所は戦闘シーンで流れる曲。俺はよく知らないんだけど、グラディウスっぽいBGMで、多分沙羅曼蛇のステージ曲かと。こういうプログレッシブハードっぽい曲が映像作品で使われてるのを見ると新鮮な気分になるけれど、やっぱりアニメでBGMとして使ってもかっこいいんだよね。特にシンセ・変拍子スペオペとの相性は言うに及ばずというか。

 まあ駆け足らしき部分はあったにせよ、ゲーム一本分を一時間の作品に収めたと考えれば、うまくまとまってる方なのかな。原作にどの程度、ストーリーがあるのかは知らないが。当時のスタジオぴえろだけあって、メカがすんげーカッコイイしね。
 続きも近いうち見ると思う。

魔界都市<新宿>』
 原作者の菊地秀行先生はブチギレたらしいけど、原作未読組的には悪くないやん。レヴィー・ラーを倒した直後のシーンで流れる水道局みたいなBGMと、シューティングゲームの1面みたいなエンディング曲以外。
 和製伝奇アクション・エログロ小説といったジャンルの元祖と言える作品・さらに菊地秀行先生とはいえ、そのデビュー作が原作ということで、もうちっと詰めの甘い作品なんじゃないか……なんてナメたことを頭の片隅に置いて見たわけですが、完全に私が阿呆でした。堪忍してつかぁさい。
 てかこの出来で原作者が怒るってことは、原作はもっと面白いということで間違いないわけだよな……現状、夢枕獏作品を追いながら追いかけきれないことを悩みとしているところがあるもんで、さらに菊池先生のような多作な方の本を集めだすとキリがねぇよなぁ。と、眼前の本棚に広がる積み本を眺めつつ途方に暮れるわけです。


超人ロック レオンロード』
 やはりかっこいい、このアニメ。『魔女の世紀』よりちょっぴりロックが大人っぽくなった?

 主題歌。アースシェイカーみたいな曲でかっこいいんだけど、なんかいまいち方向性の見えない歌詞&絵。
 ロックって、子供向けヒーロー的な設定ではあるけれど、そんな子供向けヒーロー的な展開の作品じゃないと思うんだけどなぁ。正直あんまりしっくりこないので、遠い異国の言語とでも思って聞くことをおすすめする。


『獣電戦隊キョウリュウジャー
 見ました、第一話。とりあえず、ゴーバスみたいにもっと実験的な路線で新規開拓してってくれりゃ良かったんだけどなぁとちょっと冷めた目で見てしまった。

 なんというか、長く続いているシリーズってだいたいそうなんだけど、方向性が固まっちゃうんだよね。仮面ライダーはそのあたりをうまいこと脱却して好き放題やって成功してる印象だけど、ゴーバスは関連商品が商業的に振るわなかったとかいう話をどこぞで耳にしたわけだ。事実化どうかはともかくそれで響いてまた今の感じに回帰しちゃったのかと思うと、なんというか幼年誌なのに子供むけなんだけど子供をナメてない作品を掲載し続けて、最終的に休刊になってしまった『コミックボンボン』を思い出す。わかりやすさが売り物の価値か。
 いや、いいんだけどね。わかりやすいキャラ付け。でも俺はゴーバスターズでの、とりあえずウイークポイントだとか、年齢、性別といった要素だけでキャラ付けを済ませておいて、あとの人間的な部分はおいおい作中でじっくりと掘り下げていくってところに戦隊の未来を見出したんだよ。戦い方にわかりやすい差別化をしないけれど、実際に動きで「打撃」「空中殺法」「関節技」という具合に役割を分離させるところとかね。
 あとは分隊行動が基本ってところもポイントが高い。だってそのほうがアツいじゃない、五人の戦士が必要であるという必然性も高まるしね。
 ほかにも中心メンバーだけで物語が完結しないというか、メカニックとかの基地のみんなも一緒に戦っている、って思わせるような描写の丁寧さだとか、実際、エンジニアのゲストキャラを主眼に据えたエピソードもあったくらいだしね。

 ゴーバスの良かったところを吐き出す感じになってしまった。これからは実験的な作品が登場しないと思うと、ちょっともうこれ以上戦隊見続けるのは辛いかも知れない。(まあ実際問題、子供向けヒーロー番組なんて対象としている年代が代謝していくもので、この年になるまで見続けることのほうが理に反してるわけなんだけれどもね)
 とはいえまだ第一話の段階なんで、もし俺がゲートでもまだファントムが出てくる感じではないですし、バッドエナジーも特に検知されないはず。なんだかんだ言ってあのキラキラしたスーツ着たスーアクさんたちが縦横無尽に駆け回って戦ってる姿を見るだけで、一年間幸せな気分になれることは間違いないからね。