ソラリス合同誌について
本当にバラエティ豊かな作品がそろったと思う。五十年後の今、ソラリスをやるということで個人的にもっとも注力したのは批評性だった。
企画した当初は、アニメ等のキャラクターがソラリスに行ったらどんな幽体Fが出て、なにが起こるのだろうという興味が先だったものだったが、結果として集まってきたのは、多面的な解釈からソラリスは何だったのか、ということを浮き彫りにした作品集に仕上がったと思う。
以下に、コメントをつける。ネタバレを含むので、読まれる方は
http://specters666.tumblr.com/post/133925186511/%E8%87%AA%E5%AE%B6%E9%80%9A%E8%B2%A9%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B
で買ってね☆
太陽の扉/がせ
殺伐百合の企画者らしい、殺伐とした百合。当初アイカツ!二次創作でレズファックシーンを書いていたことを山像氏は恐れていた。
ソラリスをマクガフィンに使った、アイカツキャラが中心の作品。特にミモイドの風景がそらに訴えかけてくるシーンは、使い方が巧みであった。がせぴょんはあるものの延長戦上を描き出すのが得意なんだにゃあ。
『舞台としてのソラリス』というものを浮き彫りにした、実は一番当初の企画に忠実に書かれた作品。
Beyond the Time and Space/追田琴梨
読んだときは、こう来たか!とひざを打った。確かに、アニメ作品のような設定年代も明らかにされておらずシームレスにソラリス学というファクターを輸入できるものと違い、ナマモノ同人としてソラリスをやるにはコールドスリープはかなりさえていると思う。またソラリスの一部でしかない〈客〉(幽体F)をモチーフにすることによりソラリス自体への追及が薄らぐ問題を、クリス・ケルヴィンを登場させ、『ソラリス』をケルヴィンが書いたものとし、ソダーバーグ、タルコフスキーの映画に言及させたのもなかなか悪賢い男だと感心した。
モー娘。については自分はほとんどわからないが、作者のグループ愛が先行しすぎず、キャラクタ的にデフォルメされる形で抑制されていたので、ソラリス二次創作として楽しく読むことができたが、ハロプロが好きな人にはもっとニヤリとできる機会があったのではないだろうか。
レム式/そらりすてーしょん/山像樹
pixivに公開された宣伝漫画、本作、あとがきの三つの連関によって完成される作品で、本誌に掲載された作品自体は割とそれらのための踏み台感がある。
(ぶっちゃけ全部合わせたときが最も効用が大きいので該当ページのQRコードを本誌に乗せたいくらいではあった)
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=53588867
なにも言わずにこれを読んでください。頼む。
ソラリスを待ちながら?ぷりっ!/とまる勝子
一番おちゃらけてぶっとんだことやってる作品だけど、作中に批評性の片りんが残っていると思った。(書いた当人は「批評性の塊だろ!」って言ってた)
なんつーかテーマは批評的な部分だと思ったんだけど自分の視点がプリパラ性に向いてしまい、結果としてさしはさまれるメタ言及がぼこんぼこんと浮彫になった気がしたのよね。
批評性批評性言ってると批評性がなんなのかわかんなくなってくる。
ちなみにこれを読んでから後追いでプリパラを見ているわけだけれども、読んだ瞬間から「あっ、再現度高そうだ」と思っていたところ本当に再現度が高いことが分かった。
てんのうみよりきたるもの/木口塔子
作者が舞台をやってらっしゃる方ということもあってか、舞台的な作品だと思った。(偏見か?)
当初、美城常務がソラリスに行ったら顔のない天海春香が出てきて、なんやかんやあって奇形のアイドルが大量に生み出され、それがのちのシンデレラガールズであった。という話になる予定だったが、今作に軌道修正。
プリパラ、ラブライブなどにも言及され、ソーシャルゲームについてのゲーム的リアリズムに絡めたオチとなった。(もちろんそこだけじゃない点が木口さんのすごいところ)
こちらも当初の企画意図に即した作品で、一番SFしている作品でもあった。
Children of the Sea/平群泰道
この本が出る直前に、Twitterでお前がママになるんだよ!というミームが流行した。
この作品はまさに一言で表すとそれに集約する物語で、ソラリスにゲッター線を浴びたらソラリスがママになるんじゃね?というそれだけの話。
ここは僕の勉強不足なんだけど、細胞分裂(そして生殖)という機構が進化の途上でどうやって発生したのかも結構謎なのでは、と感じたところが出発点で、ゲッター線は全部解決してくれるからいいエネルギーだなあと思いました。
反省点はたくさんあるけど、自分の中ではかなりよくまとまった作品ではないかと思う。久々に書くことの楽しさを感じた、非常にいい作品だった。この本を作って本当によかった。
二年もすれば人は変わるかと思った
気が付けば二年以上も放置していた。
無職を終えたのが最終エントリを書いたあたりの日取りであり、思えばあれからいろいろなことがあったものだなあ。としんみりするかとも思ったが、存外そんなこともなく。所詮時間というのは人間を規定しているだけに過ぎない。経てばいろいろなことが起きるのは自明だ。そんなことにいちいち感傷を使っていたら在庫が尽きる。
去る11月23日、文学フリマにてソラリス合同誌を頒布した。同人誌、寄稿は何度かしたことはあったが、自分が企画・編集したのは初めてであり、試行錯誤の連続だったものの、なんとか形になった。
ソラリスと、別作品なり団体なりをマッシュアップさせる試みで、おかげでバラエティ豊かな同人誌が誕生した。売れ行きもなかなか好調で、献本分含120冊を印刷したわけだが、会場で40部ほど売れた。初参加で千円で頒布し、40部の売り上げというのはなかなかのもののようだ。
お越しくださったみなさま、お買い上げくださった方々。皆さまありがとうございます。
みたもの
『宇宙空母ブルーノア』
宇宙戦艦ヤマトのあと番組として放送されたスペースオペラ……のはずが、前半は宇宙に出ず海洋ロマン色が強かったためか、2クールで打ち切り。宇宙に出たのは最後三話だけとなってしまった不遇の作品。だけど隠れた名作なんですよコレが。
ブルーノアが反重力エンジンを手に入れるためにバミューダに向かう部分が物語の大半を占めるんですが、こちらの硬派な物語展開や、ヤマトと違い近代兵器を参考にした作戦展開(ヤマトの場合は二次大戦の兵器をモチーフにしたものが主力だった)などが大きな魅力。
宇宙に出るまでの部分もかなり面白いんですが、このアニメを語るべき点というのは、ラスト三話に凝縮されていると思うんですよ。というのも、打ち切りが決まって急速に軌道修正をはかったためだと思うんですが、物語の加速度がとても凄い。敵にあたるゴドム人口惑星の内部分裂による瓦解という側面が強いんですがそのあたりの人間ドラマにまつわる密度がものすごい。
敵側の事情ばかりがクローズアップされている印象で、娯楽アニメとしてはラスト三話はご都合主義展開と言わざるを得ず評価に値するものではないですが、事情を知った上でみると物語のまとめかたの秀逸さには目を見張るもの。
パラレルワールドに行けるなら、きちんと最後まで放送された世界に行ってみたいってもんです。
『宇宙大帝ゴッドシグマ』
ダルタニアスのあと番組だったロボットアニメ。スパロボファンには可愛いキラケンでおなじみですな。
これ子供がついてこれんのか? って感じのSF設定に風見博士の裏切りという当時としてはかなり野心的な作りで、今見てもずいぶん見ごたえがありました。今までみたロボットアニメの中でかなり上位に来るかも。
風見博士がクズクズ言われるのは確かに心理描写をおざなりにしすぎた感があるんだけど、しっかり最初から見ると博士は息子の死を経て、科学のためなら人命をないがしろにする人間だというのがよくわかるようになっている。まあ、クズ野郎であることにはかわりないんですが。
にしても、エンディングテーマ「レッド・ブルー・イエロー」の歌詞「みんな仲間だ〜」という部分で表示される絵に空を見上げる風見博士の横顔が映ってるのを見るのは、なかなか辛いものがあった。
『勇者ライディーン』
スパロボ常連なのでみなさん多分ご存知ですね。富野由悠季監督作品だったのが、長浜監督に受け継がれた経緯なんかはウィキペディアを見てもらえれば話がはやい。
自分はスパロボで半端に知識を仕入れていた身で見たんですが、やはり前半部プリンスシャーキンとのせめぎあいには心がときめきましたね。突然洸の学校に転校してくるとかよくわかんないムーブを見せることもありましたが、魅力ある適役は今後の長浜シリーズにも受け継がれてく。
しかしやはり後半も、見逃せない。毎回出だしで巨烈兄弟がそれぞれの巨烈獣を戦わせ、勝った方がライディーンに挑むことができる、という展開も新鮮で面白ければ、終盤になるとその二体を合体させ合体巨烈獣として繰り出すというのも、敵が強力になっていく演出としてうまく機能している(合体できるなら最初からさせてろというツッコミは野暮天でしょうな)
シャーキンの死後はレイが退場して洸の母親絡みのエピソードも増え、大きな物語の動きとしては後半の方が密度が高い。敵も、最終回巨烈兄弟のデスマスクを両手に宿した巨烈獣なんかも迫力がありました。(どうして顔を貼り付けたのかは、よくわからない)
バラオを倒したあと、エピローグがろくになく夕日を見上げて「復興がんばるぞ!」ってなアレだったのは、まあ当時のスポコンアニメとかの流れなのかなぁ、という具合でしたが。
見れて良かった。スパロボで育った子供はやっぱこのへんのアニメ楽しめなかったら嘘ですわ。
『新造人間キャシャーン』
まだ途中ですが、かなり面白いです。エピソードがいちいち印象に残るんですよね。アンドロ軍団との死闘というよりは、アンドロ軍団に蹂躙される人間の間に繰り広げられるドラマのほうが主体となっている印象。
無抵抗都市の話なんかは無防備マンとかを知ってしまってから見ると別な感興がありはするものの、結局アンドロ軍団に占領され、自身も衝動的に暴力に頼らざるを得なくなってしまった市長が、それでも死の瞬間まで崇高な非暴力の理念を捨てなかった、というところは結構語り草にするべきじゃないのかな。(まあ市長が銃持ち出したところは多めに見るといて)
キャシャーンの母親にしてブライキンボスのペットとして潜入するスパイ、スワニーの話なども物語に厚みを加えて非情に見ごたえある作品。
ただ、これは、もういろんなところで言われまくってると思うんだけど、キャシャーンにせめて人間形態を、用意しといてあげてつかぁさい……
『亜空大作戦スラングル』
めちゃくちゃ面白いんよ〜(´〜`)
作画というか演出にほんのり、監督さんはアニメーション不得手なのかなー、ってところがあるんだけれども、まあ気にならないレベルだし脚本が本当に完成されているので気にならずに見れる。作画も崩壊とまではいかないもののもにょるところはあるんだけどね、俺別に作画厨じゃないし。
今ちょうど半分終わったところで、ゴリラんベースが破壊された部分まで見たんですが、ゴリラのメンバーみんなかっこよすぎてホント濡れる。チャンスなんか髪型がおかっぱなのになんでかめちゃくちゃ渋みがあるし、マジシャンやベビーフェイスも美形とは程遠いルックスながら無骨さとひょうきんさで魅力的なキャラに仕上げられている。特にマジシャンが有能すぎて、彼のおかげで物語が成立してるよね、って部分はたくさんあるものの、ゴリラ全員が優秀だし、敵もその裏をかいてきたりするので、まあ、要するに面白いんすわ。
それにしてもそんだけみんなカッチョイイのに、スーパースターは死んじゃったし、セクシーも退場。補充要員が来るみたいなんですが、これからも目が離せんですな。
はやいトコ続き見よ。
以下は今期アニメ。
『げんしけん二代目』
センスオブジェンダーをあげたい……俺は男性なので、女性オタクが集まったらどうなるのかというのは想像するしかないんですが、ああこういう感じかー、案外男オタと変わんないけどやっぱ突き抜けるベクトルちげーなーって思わせてもらっただけでもう僕は虜。
男性主体だったげんしけんが女性主体のサークルに変化するにあたり、ハトくんの存在はかなり有効に機能してますね。主人公的なポジションに据えられるのもうなずけるし、ああいう強烈なキャラ付けがされてるからこそ、物語も機能しやすいんだろうなーなどと与太を飛ばしたくもなる。
『ジャイロゼッター』
これハードSFっぽい設定が見え隠れしてるんだけど、どうなるんすかねー。
ギャグ回の出来がものすごくいいのでそれだけでも見る動機として十分なわけなんですが、にしてもやっぱ大きな物語に魅力的なミステリが仕込んであると、毎回見よう、という気にさせてくれるのでよい。
『アイカツ!』
ホント丁寧な作りだなー、というのが一番の印象。キャラもみんな可愛いですしね。俺のお気に入りは蘭ちゃん。
清掃員やジョニーさん、シオニストさんにも焦点あたったんだから、寿司屋にももうちょっと活躍あるんですかね。まだあの子のキャラがつかみ兼ねてるんですよね。
『サーバント×サービス』
長谷部のキャラだけでかろうじて見れてる感じ。
『とある科学の超電磁砲S』
なーんか禁書のころからそうなんだけど、まあ俺の好みではないなー感が。
『宇宙兄弟』
展開の遅さを抜きにすればなにも言うべきことはないです。ちょー面白い。
マンガで続きを追いかけるか迷うけど、どうせマンガだって完結してるわけでもないので我慢してアニメで見てます。完結したら追いかけるかも。
主題歌も90年代くらいに活躍したJ-ROCKの人ら連れてきてる感じでいいですね。俺全然そのへん通ってないんだけど。
みたもの
『倒凶十将伝』
ちょっとなにがしたいのかよくわからないアニメではあった。原作?小説が売ってるのを先日たまたま見かけたのだが、アニメがそういう具合だったので食指が動かなかった。
しかしながら大体において、アニメがあまりに酷い出来だった作品も原作の完成度が高いということは、よくある。気が向いたとき、財布が太っているようなら買ってみようかしらん、くらいのことを思っておく。
曲。アップテンポで好きな感じなんだけど、これもあんま世界観とあってない。この歌詞からして作品世界とリンクさせる気がさらっさらない感じが90年代といえばそうかもしれん。
『青空少女隊』
かなり良かった。女性版のブルーインパルス部隊に整備兵として配属された主人公の話なんだが、ラブコメはやっぱりこうでなくちゃ、という具合で、良い。
『シャーマニックプリンセス』
作品世界において何が起きているのかよくわからなかった。世界観設定やそこから醸される雰囲気自体は悪くなかったとは思うんだが、キャラの相関関係を把握した上でなお、エピソードが何かと印象に残らない。
『おいら宇宙の探鉱夫』
素晴らしい作品だったんだが、物語が始まった段階で終了。打ち切りとのことだが、惜しい限り。
やはり宇宙空間における運動を、しっかりと書いてくれるアニメはこのくらいの時代のものが最も信頼できるように思う。どうにかして続きが描かれれば、と思うものだが、監督が亡くなっているので難しい話だそうだ。最近の宇宙ブームに乗っかってくれたらば嬉しかったものだが。
『紅い眼鏡』
特撮作品。良い映画だったが押井作品に往々にしてあるように、概念的すぎるきらいがあり、これを面白がれる人間は限られるように思う。(という言い方は選民思想的であまり好きではないが、まあ事実であろう)
ケルベロスシリーズの最初の作品とのことで、人狼は見ていたのだが、その世界観の違いに驚かされる。個人的にはスラップスティックの感があるこちらの方が、特撮というフィールドではあまりやられないような演出に、新鮮な面白みを感じた。
『女神天国』
電撃G'zマガジンの読者企画、今でいうラブライブや、かつて一世を風靡した(ということにしておいてくれ)シスタープリンセスの先輩にあたる作品。
こういう女の子ありきでその他の部分がおざなりになっているような作品が一番勢いを極めていたのがこの時代であると思うんだが、ようするに陳腐化しすぎて今見ると同時の独特の悪ノリを感じることができる。
この作品はまあそういった部分を加味したところでたいして面白いとは思わなかったが、「あの頃のアニメってこうだったなぁ」という感慨が浮かぶという点で資料的価値は十分に果たしているのではなかろうか。
それにしても、自分はG'zマガジンにはさほど明るくはないのだが、こういった作品たちが築いた礎がラブライブで結実したということに思いを馳せると、この二十年の進歩に親心のような感興が沸くものではある。
『電脳戦隊ヴギィ'ズエンジェル』
当初は、『女神天国』同様の女の子ありきの作品かと思ってみたが、一巻の軽いノリと比べ三巻がやけに重たい。
ギャップを狙ったのではなかろうかという気もするがそれにしたところでかなりおいてけぼりの感が強いのは、単にコメディとシリアスのメリハリがついていないため的を絞りきれていない印象を受けることだろう。
全三巻を再編集した総集編もあるにはあるが、そちらは冒頭に登場人物の過去のエピソードが加えられており、シリーズのほうよりもぶつ切りな感が強い。
『太陽の船ソルビアンカ』
良かった。のだが、なんで俺が好きな作品はだいたい打ち切られてしまっているんだろうか。8、90年代の人間と現代の俺の感受性にそこまで開きがあるんだろうか……
一巻ではソルビアンカの紹介ということでメンバーの連帯や個々の魅力がクローズされ、二巻ではメンバー同士の人間模様というドラマに焦点が当たった作りになっていたと思う。それぞれのエピソードもサイバーパンクの影響を受けたスペオペとして完成度が高く、キャラごとのはっきりした役割や、台詞回しの軽妙さも良い。
これもどっかでなんかの拍子に続編でないかなー。
『BOUNTY DOG/月面のイブ』
スペオペ版かぐや姫といったところか。
作画、設定など感じはだいぶよく物語もスタンダードなものかだったが、設定はあまり頭に入ってこなかった。どうやらラジオドラマ版があるそうで、そちらでだいぶ補完される模様だが、アマゾンの検索では見当たらなかったので、おそらく一生手に取ることはないだろう。
『11人いる!』
萩尾望都原作のマンガの映像化。原作を読んだのはもうずいぶん前になるが、概ね忠実に再現されていたと思う。特に食堂での乱闘シーンなんかは、メカ描写の次に気合が入っているのではないかと思うほどよく動いて楽しかった。(下手をするとタダの逃走シーンより、労力が割かれていたのではあるまいか)
フロルの声は本職の声優でなかったためほかの出演者から浮いてしまっていたのが残念だが、そういうこともある。カラーで動くフロルが見れただけでも満足と言っていいだろう。
『トワイライトQ』
押井守の怪作。タイトルはトワイライトゾーンとウルトラQを足して二で割ったものだそうで。
海外SFのパロディらしいんだが、自分は半可通なので二作ともそれなりに楽しんで見られた。己の無知というのはこういうとき頼もしいものである。
一巻のカメラの話。現代から未来へと話が動いた割にたたみ方があっけなかった印象。
二巻のアパートの話。押井的な語りで物語を動かす演出。作画にジブリの有名な方が参加しているそうで、絵を見るだけでも十分に価値のあるものかと。
『竜世紀』
設定に対して明らかに尺が足りていなくて、食い足りない印象。とはいえ脚本はずいぶんと苦労したのだなぁと思わされる。
一巻は、現代日本を舞台にし、突如発生した竜と軍隊が交戦、市街地にもあらわれるようになり……怪獣もの映画の影響を多分に感じる作風で、話も概ねそういう具合。二巻はというと未来が描かれているのだが、一巻で登場した竜が生活に浸透した世界ということで、ファンタジーとサイバーパンクがファンタジー寄りに結実したような印象。物語は仇討ちが主眼となっており複雑なことができない尺の中、綺麗にまとめたと思う。キレイにまとまったということはそれだけ新奇性だとか、展開だとかのなにかが犠牲になっているわけで、まあ、そういう話である。
やっぱり、一巻も二巻も、各二時間くらいの長さで見たかったですね。
『創世機士ガイアース』
名前だけは知っていたものの、そこまで面白かったか? という内容。1は楽しめたけれど、2、3が蛇足なように思える、というか、3の終わりどころがかなり半端。
モトリーみたいなリフの曲。
曲としてはこっちのが好き。ボーカル苦手だけど。
『美少女遊撃隊バトルスキッパー』
変なアニメだった。お色気アニメかと思いきやメカがロボットものではあまり見ない形状をしておりカッコイイ。でも物語はフックの入った学園コメディみたいな具合で、現代からしたら何を考えて作ったのかよくわからない、ようするに時代の徒花というやつだろう。
キャラデザも90年代という、アニメキャラのデザインが一番人間から乖離していた頃の共通認識的にある感じ(と言って通じるかは、知らない)であり、まあメインキャラの髪型が、これ考えたやつ気でも狂ってやがるのか?って感じがしてとても良いのですわ。見れば一発でこのアニメのキャラだってわかる感じ。最近のアニメじゃ物理法則に著しく半期を翻したものってあまり見ないので、こういうのがあると嬉しい。
http://nicoviewer.net/sm17499114
『バオー来訪者』
やっぱ荒木作品はいいなー、と再認識。キャラがよく動く動く。原作手元にないので、相違点とかは参照できませんゆえあしからず。
『ダロス』
世界初のOVAってやつですな。未来少年コナンのSF色を強化して、ジブリアニメっぽいストーリーテリングにした感じ。監督は押井守なんだけどネ。
全四巻なんですが、二時間映画を見ている感覚でさくっとまとまっててよかったですねー。アクションシーンも面白かった。工業用重機で戦闘機落とすとことか見ものです。作業メカを改造してつなぎ合わせてベムと呼ばれるロボット作ったりね。頼むからスパロボ出してくれ。
『魔物ハンター妖子』
お色気アニメ、だったのが二巻以降はえっちな描写が少なくなって、残念。そういう部分抜きにしても一巻が一番面白かったです。どう見ても主人公バーさんだったけど。
妖子がホンマええ身体してて可愛いドスなぁ(ゲス顔)
『バツ&テリー』
むっちょおもろかったですわよ。王道の青春ものといった具合。やっぱあーいうデコボココンビは80年代って感じがしてよいですね。(そういえば当時同時上映されたのがダーティ・ペアだったそうな)
にしてもバツもテリーも高校球児にしちゃいい身体しすぎ&決勝戦の相手があまりにお粗末すぎ。特に後者、作劇のご都合主義感が凄かった。(誰にも求められてないことを承知で俺ならこうする論をぶちあげると、しっかり強敵として描いた上で、詰めの部分で前日の喧嘩の傷が開いて……という具合か)
とまれ良かったです。井上和彦・塩沢兼人のコンビってのもかなりシビれたしね。
『伝染るんです。』
1992年版。実写パートがやけに多い。吉田戦車のキチガイくさい雰囲気は出てたんだけどネタのチョイスがイマイチというか、(ひょっとしたらアニメオリジナルエピソードかも)まあ、あんま面白くなかったです。
シンフォギアG
今期最大のコンテンツであるところのシンフォギアG。放送前は、一期の時のあの熱病にうかされたまま奏でられたようなあの凄まじいグルーヴが消え失せてしまっているのではないかという懸念があったものですが、いや、泥臭いところはシェイプアップされているものの、熱量こそそのままにエンターテイメントとして鋭利に研ぎ澄まされていて非常に見ごたえのある作品に仕上がってますね。
OPのロゴ、キャラ絵がシルエットになってそれがそのままロゴに入る『万能文化猫娘』みたいな時代錯誤な演出も実にシンフォギアらしくてチョーイイネ、サイコー!
以下はシンフォギアG最新放送分のネタバレが含まれる。未見の方はご注意されたし。
先日友人のにょろにょろ師匠と喋っていて、彼の友人の弁において「翼とクリスのキャラはリリカルなのはのフェイトちゃんを分割したみたいな役割」という示唆を得た。言い得て妙である。他者に依存するがあまり主人公と対立し、最終的に仲間になるところを見ると、なのは一期序盤の「本当にこれ必要だったの?」というシーンの代わりにそれぞれのヒロインにスポットを当てた作りになった、という考え方ができる。原作の上松さんはリリカルなのはシリーズに関わっている人で、やっぱそういう部分参考にして話作ったのかなーなどと、勘ぐりがたくましくなってくるものである。
だが、一つ待って欲しい。強依存。そのテーマを踏襲することに、一つ疑問がある。
『リリカルなのは』一期・二期のフェイトちゃんおよび、『神姫絶唱シンフォギア』一期における翼さん・クリスちゃんにしても、彼女らの強依存という性質自体に、なんらの解決も提示されてはいないのである。過去の依存対象者から決別することは確かに新たな一歩である。感動的であることは論を待たない。フェイトちゃんは確かに、なのはさんの名前を呼んだ。翼さんもクリスちゃんも、響がつないで結んだ。だがそれらは依存の対象がすり替わっただけであり、そこから脱却するためのエクスキューズが存在しない限りは、また同様のことが起こるのではないかという疑問がつきまとっていた。
リリカルなのはにおいては、フェイトちゃんの強依存というものが解消される結局描写は存在しなかった。なのはとの信頼関係が成立したが、その先へ踏み出す彼女の姿は視聴者に提示されていない。Strikersにおける活躍を見るにおそらくはカメラの映ってないところで彼女は人との付き合い方のようなものを習得していくのであろうが、俺はそこが見てみたかった。
なのはA’s(テレビ版)はそれ単体では完璧な作品だと思っているのでフェイトちゃんに関するそういった描写がなかったところでそれを作品の短所と言う気はさらさらないが、(おそらくは無理に挟んでも他の要素がおざなりになっていたことだろう)個人的な感情において、是非見たいと思えるところではあった。
だがしかし、なのである。シンフォギアGの文化祭絡みのエピソードにおいてクリスちゃんや翼さんが友達を作っているのを見て、思わず涙腺が緩んでしまった。立花響という個性や聖遺物(これにまつわる関係性は一種強迫的である)とはまったく無関係の文脈で彼女たちは支えを得ている。これからも、きっと彼女たちは、新しい関係性の構築に踏み出していけることだろう。
これは手続き上の意味合いにおいて、立花響を失った場合に対する保険である。保険とはリスクを分散する行為であり、それは時に、響との強固な関係性の持続を否定する意味を持つかも知れない。だから、それを行うことをすなわち成長と呼ぶのは迂闊と言わざるを得ないだろう。だが、これからもし、彼女たちが響を失っても、強く立ち向かって行くことができる。あの、講堂のステージにたった瞬間のクリスちゃんの姿。それが現れたときこそが依存を名乗る文字列の頭についていた「強」の字が払拭された瞬間なのである。それがわかっただけで俺は大満足である。
『神姫絶唱シンフォギア』。この作品は、一人の少女が二人の友人を導く物語であった。では、『神姫絶唱シンフォギアG』。この作品では、おそらくは少女たちの自立を描いた物語ではないか。そんな期待が、この胸のうちに膨らんでくるものである。
見たもの
『夢枕獏 とわいらいと劇場』
オムニバス形式の連作集。これ、概要よく知らないんだけど夢枕の初期作が原作になってるのかな。話自体はまとまってるんだけど完璧な出来と言っていいものではなかった、けれど、どれも気味が悪くておもしろかった。世にも奇妙な物語とか好きな人は楽しめると思う。
・夢蜉蝣
女はみんな魔物なんやな。この設定なー、凝縮されているんだけどちょっと食い足りない感じ。もっと長い話で見たかった。
・四畳半漂流記
バトルシーンというか、まあ最後のほうの幻想描写だ。それが凄まじい。
・深山幻想譚
オチが斜め上だった。鮮やかとは言い難いが、予想を覆されるという意味では最も面白かった。
・骨董屋
最後を飾るにふさわしい、ジツに後味の悪い幻想的な話。グロくてナンセンスなオチは時代を感じるものの、そこまでやるかという意外性に満ちていた。
『夢幻紳士』
終盤、ちょいちょいつながりがよくわからないところはあったものの概ね楽しめました。
やはり洋館に住まう少年探偵ってアイデアはたまらんですな。アルカードとの取り合わせもばっちり。
『ヴァンパイアハンター』
全四話。このアニメの魅力はやっぱり格闘ゲームを忠実に再現しながらそれ以上のものをサジェストしてくる戦闘シーンでしょう。どのキャラもかっこよくて、しかもちゃんと見せ場を設定してもらえている。特にモリガンが美しかったので俺は満足ですね。
物語の中心はドノヴァンなんですが、彼にまつわるエピソードも見ごたえがあった。
『JUNK BOY』
いやーくだらない(褒めてる)
草尾毅のデビュー作だそうで。
しかし終盤、雑誌編集者の設定はなんだったのかという感じだったな。そこんとこ序盤はすごくよくてのめり込んで見てたんだけど、そこだけちょっと残念。
『DEAD HEAT』
人型二輪車によるレースもの。ライドバックの元ネタなのかな、ギミックが非常によく似ていました。
面白かったね。キャラはあまり好きにはなれなかったけれど、ゴーは格好良かった。居場所を追われた技師が再起のための最後のチャンスに漕ぎ出すって設定はかなり燃えるものがある。
『トゥインクルノーラ ロックミー』
作画が大変なことになってましたね……話も前作のほうが面白かった。(ってか『ノーラ』とのつながり把握してないんですが、設定だいぶ変わってたけどひょっとして別作品?)
矮人のダンスのときの表情が面白かったです。
『巴がゆく!』
うーん、原作を尺の中に無理に詰め込んだ、って感じがして、そんなに入り込めなかった。ちょいちょい「おっ」と思うところはもちろんあったわけだけれども、ね。これも原作読まなきゃリストに入れることとする。
この曲すき。
『トゥインクルハート 銀河系まで届かない』
うーんまあ。なんか最近こういう作品いっぱい見た気がする。美少女+スペオペでコメディ路線ってのが流行してたのだろうが、なんというかまったく目新しさもなく。つぶれたアンパンみたいな女性キャラがなぁ。
『サーキットエンジェル』
あんましピンとこなかったものの、前に見た『爆走サーキット・ロマン TWIN』と比べるとこっちのが面白かったな。主人公(♀)の筋トレシーンにフェティッシュを感じた。
『ガルフォース 新世紀編』
うーん、最後がなぁ。しかし、これで宇宙章から見てきたキャラたちとお別れと思うと寂しいものがある、が、シリーズ総体で考えると蛇足感が否めない。下記のザ・レヴォリューションで一応映像作品は全部見たことになるんだけど、レア・ガルフォースから地球章の流れが一番好きだったなぁ。
『ガルフォース・ザ・レヴォリューション』
ガルフォースシリーズなんですが、キャラクタや一部設定を踏襲しているだけでほんと別物。キャラデザが違う時点で、それまでのガルフォースのつもりでは見れませんわな。まあまあ面白かったですが、ルフィのキャラデザもうちっとどうにかならんかったかね。
キャティのビリビリとかファンサービスが盛り込んであって良かった。新世紀編と比べると格段に面白かったんですが、これの営業的失敗がもとで倒産したことを考えると、リメイク商法の限界か。(あと二、三年くらいはやく、それもテレビシリーズでやってたら人気でたような気がしなくもないけど)
90年代らしいだ。そしてキングレコードっぽい。俺の魂の回帰点ですね。
『風を抜け!』
うわーなんだこれおもしれー、と思ったら脚本が會川昇氏。たまらん。
ライバル同士の友情と確執。レース中のジェフの男前な態度。今まで見たレースものの中で一番面白かったです。
『3X3EYES』
OVAシリーズ。第一部と第二部それぞれ三話ずつの全六話。原作既読なんですが細かいとこ全然覚えてなかったんでおさらい感。うん、面白かったですね。原作は三部あたりからダレはじめるんで、映像化されてるのがここまでで本当に良かったと思った。(最終章だけは映像で見てみたい気もするが)
『宇宙皇子』
地上編。FFSと同時上映された劇場版のほうですね。序盤の展開がちょっと早めというか、ついていくのに苦労した部分はあったにせよ、見る前に聴いていた評判よりはずっと面白かったです。作画がどうにかならなかったのかよ、というの以外は。
いやー悪くはないんだけど、OVA版見ちゃってからだとどうも。九字も、OVAではちゃんと印結んでたのにこっちのほうは簡略化されてたし……
『超光速グランドール』
ディトネイターオーガンみたいな話だと思った。
なんかなぁ。バトルシーンはよかったけど。
『楽勝!ハイパードール』
飯塚雅弓とゆかながヒロインという時点で世代的にはかなりグっとくるものがある。ダーティ・ペアコンセプトの作品もこれまで結構見てきたつもりだけど、ヒロインが性格悪いとやはり見ごたえがある。なかなか面白かったですね。平凡な男が宇宙人絡みの事件に巻き込まれ、っていう展開はうる星とかの影響もあるのかなぁ。
エンディング。この寒々しさがキッチュでたまらない。
『エクスプローラーウーマン・レイ』
世界観がかなり好きだったけれど、今見てもそれほど新鮮な感じはしなかったですな。でも作劇がしっかりしていたので面白かったです。
にゃる子WのCMアイキャッチでネタにされてましたね。
『暗黒神伝承 武神』
和風ウルトラマンの名を欲しいままにした怪作。どちらかというと伝奇要素のほうが強く、そこに変身巨大ヒーローの要素をブチ込んだ感じで、見てる感覚としては当時のOVA感が強くて少し物足りなかったですね。もっと特撮っぽい方面に絵を振り切って欲しかった。
とはいえ武神の登場シーンなんかはウルトラマンパロになっていて、そういう部分からはスタッフの特撮愛が伝わってきて良かったし、物語自体も伝奇ものとして完成されていると思いました。テレビシリーズとかになってたら多分ハマってたんだろうな、と思うと残念。武神もカッコよかったしね。
『毎日が日曜日』
『3X3EYES』の作者高田裕三の作品。猫娘やブルーシード以外にもアニメ化してたんですな。
ちょいエロラブコメディといった具合で、だいぶ面白かったですね。キャラがみんな魅力的なんだわ。特に所長の孫が好きですね。ああいうクセの強い女の子は昔は嫌いだったんだけど、最近見てて楽しい気分になれるようになった。トシか。
『真魔神伝』
かなり良かった。いや、俺がムキムキマッチョの主人公が好きってだけの話なんだけどネ。
EDテーマ、杉本誘里が歌ってるのかーと思ってチェックしてみたら、作編曲がB'zの松本。通りでかっこいいんだが、いかんせん音が古い。これ、当時としてもかなりオールディな音なんじゃないか。
『IZUMO』
日本神話ベースの冒険もの。なかなかよくできていたと思いますが、それほど好きな作品じゃないかな。
『POWER DoLLS オムニ戦記2540』
ゲーム原作のOVA。設定がすごく良かったのでゲームもやってみたくなりました。
『POWER DoLLS プロジェクトα』
上の続編、にあたるのかな。前作のが面白かったです。
『魔法少女プリティサミー』
OVAの方。ガキの頃テレビシリーズは見てましたが、こうしてみると小麦ちゃんがかなり影響受けてるんだなーっていう具合。
内容は良くも悪くも同人ノリで、だいぶイカれた作風に仕上がっていて面白かったです。
三話で神谷浩史が結構重要な役で出ててびっくりしたんですが、これデビューしてすぐくらいじゃないかな。今とそんな声が変わらないのと、当時から上手かったので、すごい人だと思った。(俺が初めて知ったのはKANONの久瀬役)
『KEY THE METAL IDOL』
最近、アイドルアニメが流行っているし、またBABY METALなるMETAL IDOLを標榜するアーティストが人気を博している。というわけでSFアイドルアニメであるところのこれをば。
いやー展開がいちいちかっこよくて面白かったです。
『聖ミカエラ学園漂流記』
なんというか凄まじいアニメだった。意味がわかるシーンが一瞬たりともない。褒め言葉です。
原作が電撃文庫から刊行されているというが、少し躊躇する。面白かったけどね。
『いけないマコちゃん 後編』
くりいむレモン。なんてよくまとまったファンタジーなんだw それこそ夢枕獏あたりでありそうな。いや、ないかな。うんわからん。
性の開放と抑圧がそれぞれ人格化して、て設定にはさすがに時代を感じるものの、わざわざ前後編にするだけあって山場もちゃんと設定されていて心憎い。やはりただのファックでなくてこう、情緒や心理的な部分にクローズが当たって、見終わったあとにすとんと腑に落ちてくるポルノこそが、エロゲー全盛期に性の目覚めを経た俺の回帰点なのだよ。
なんというかくりいむレモンシリーズ全体に言えることだけど、登場人物の心理がすごい追いやすいので、その点はかなり感心した。というか、そういう作りにしないとやっぱエロって感情移入できないよね、という再確認的な気づき。
『なりすスクランブル』
くりいむレモンシリーズ。一言で言って、ただのコメディですね。濡れ場いらないんじゃないかってくらいギャグがバカバカしくて面白かったです。
『媚・妹・BABY』
くりいむレモンシリーズ。オチというか、ラスト親が入ってくるシーンのぶつ切り感。この頃のくりいむレモンはあまり作劇には頓着していない印象。作画が気合入ってて、濡れ場なんかほんとこれでもかってくらい丁寧に書かれてるんだから、用途を考えれば文句を言うほどのことでもないが、物語としてはこれから面白くなりそう、というところで終わってしまう感がある。一応続編もあるしこれはまあお門違いな批判ではあろうが、一つの作品として完結しているのだから、しっかり話を終わらせて欲しかったという俺個人の好みの話です。
『亜美・アゲイン』
上の続編。三部作の中でこれが一番面白かったかな。
『亜美Ⅲ』
あまり、終わった気がしない終わり方。とはいえ一連の流れでみるとまとまりはできている、のかな。
『エスカレーション 今夜はハードコア』
こちらもくりいむレモン。やはり濡れ場がきてそこでハイ終わり、というのがかゆいところ。すごい雰囲気が良かったからなあ、もうちょっとあとの話も書いて欲しかったが。
濡れ場が全編レズファックだけだったのを考えるとやっぱ百合って、言葉そのものはなくとも当時からある程度のニーズはあったんですな。
『エスカレーション2 禁断のソナタ』
タイトルの通りエスカレーションの続編。あんまキャラが好きになれなかった。
『ハプニングサマー』
濡れ場があっさりしてたけど、くりいむレモンの中ではかなり好みなほうでしたね。恋をきっかけにあかぬける女の子は見てて癒されるし、ちゃんと話が終わっているところが良い。これは是非続編が見たいけれど、出てないのよな。
『黒猫館』
くりいむレモン。これも話が面白かったですね。導入や設定がちょっと『神樹の館』っぽいなと思った。いや、相違点はもちろんだいぶんあるんだけど。
実は毒性のある媚薬をもられていたっていう展開とか最高じゃないですか。脱出したはいいものの館がその日のうちに火事で焼け落ちたとかね。あの不条理っぽいラストはほんと印象に残る。
続編があるらしいのでそちらも近いうちに見たい。
みたもの
『ザ ヒューマノイド 哀の惑星レザリア』
とにかくねぇ、作画がねぇ。ところどころセルの枚数足りてない感じで、時折気の抜けるような絵になる瞬間がある。まあそれはいい。内容も途中まではまあ悪くないほうだとは思うんだけど、アントワネットがどういう行動理念によって動いているのか全然わからなくて、それでいい話風に締められて、かなりもやもや。
いやまあ途中までも良かった、とは言えない出来だったんですけどね。展開は良かったのに、その合間に挟まれるエピソードが全然印象残らない感。
せっかく映像作品なのに冒頭とラスト、文章を読まさせられたのも、だるい。どちらかだけにして欲しかった。
文句ばっか書いてる気がするけど、まあ、普通という具合か。
挿入歌。ええ曲やなぁ。
こっちはエンディング。これも善き曲。
『いけないマコちゃん 前編』
最近つぼみが主演で実写化されてましたね。
エロアニメであるにもかかわらず、直接的な性描写が最後のほうまでおあずけを喰らうという焦らし感が良かった。物語もモダンホラーの様相を呈したシナリオも、今まで見てきたくりいむレモンシリーズの中でもダントツに良かった。やっぱりシナリオがよくできてるほうが見ごたえあるよ。(そういうのはエロアニメじゃないのでやればいい、という意見もあるが)
女性の描写も気合が入っていて、特にプールや女子更衣室のシーンの作画、モブの子もみんな可愛かったのでちょうたまらんかった。あと、スクール水着フェチ、やっぱこの頃からあったんだなと思って心がほっこりあったまった。
まだ後編は見てないんだけどあの子供はマコの性欲を抑圧されたことで現れたもうひとりの自分とかそういう具合なんですかね。
『NORA』
ノーラが超かわいい。それだけでも満足なんだけど、本当の見所はそこじゃない。このアニメ、無重力の表現がすごいよくできてるんですわ。
プールの重力制御が効かなくなってっていうシーンは自分は今まで見たことなくてかなり見ごたえがあった。パラソルの支柱を回転させて水をはじきながら移動。球状の水で溺れそうになっている子供の足を掴んでぶん回して遠心力で助けるっていうこのシーン。よく考えられてました。
しかし主要等女医人物がジジイ二人&美少女ってのは、新鮮というか洋画っぽいというか、どういう層を狙ったのかよくわからなくて面白いですね。
正直終盤、特にアーティのところに乗り込んでからの展開はかなりガッカリクオリティだったけどノーラが可愛かったから全部おっけー。(ってかノーラってローラに似てるな)