5月5日(土)

 1.
寄生彼女サナ2』今更ながら読了。次巻以降で組織との戦いになっていくのだろう。プロットが異様に面白く、個人的にはラブコメ展開よりもそちらに注力していけばギャグからシリアスに流れるという黄金期のジャンプ漫画に見られた方法論をなぞれるが、ひょっとして狙ってそれをやっているのだろうか。
 この、『キン肉マン』などに代表される主軸の変遷は主に連載の長期化により方向性が散逸するためだと思うが、作品の世界観に大きく干渉するため上手い効果を狙うというのはリスキーである。しかしこの作品では(狙ったのかそうでないかは置くにしろ)ラブコメという表層部分が物語を潤滑させるのに上手く機能している。たとえば学校が何日も乗っ取られるなんて非現実は、面白い話である以上にまともにやろうとしたら多くの言葉を弄さなくてはならないが、そんな設定をとっぱらっても違和感がないように作用している。その上で、「この伏線がここにくるか!」とさせられるのが凄い。流石侮れない。

 今後の展開への願望について。ラブコメよりも下ネタのほうが面白いのでそちらを特化させてほしいとの思いもありつつ、ギャグはいいから今回みたいなSFに重点もってこようよ、いやいやでも唐人がバトルモードになったときの文体すごいいいよね、と頭の中で会議してる。どう転んでも納得がいく作りの作品だけに、次以降を読む楽しみが広がる。まあおそらく自分が楽しめなくなるのはラブコメ一辺倒になる場合だが、それはまずないだろう。

 帝国を崩壊させるのはどことなく『代紋TAKE2』の第二部を髣髴とさせた。ポキ稼ぎのところで、設定の説明に関する描写や反乱への伏線ばかりでなく、もっと駆け引きなどの物語性があったらよかったが。
 唐人の一人称が俺になる部分の文体が好みなだけに、今回そのあたりの描写が少なくて残念だった。
 欲を言うならこの巻だけであと200ページは読みたかった。
 理性を引き換えに身体能力を得るとかそんなだったと記憶しているが、ドッジの試合中に一人称が俺になったところはどういう意図があったのだろう。はかりかねている。

 2.
 観たもの。

夏色キセキ』5話
 出来がいい作画ではなかったと思うが、優香が可愛かったのでよし。
 というより、はな、作画に対する思い入れは特にない。作画というのはぼくにとり盛り付けのようなもので、どんな酷かろうと味は変わるまい。もちろん綺麗ならそれにこしたことはないが、よほどのことでもない限り気にしない。これからは作画リベラリストを名乗っていこうと思うが、明日には忘れていると思う。

アクセルワールド』5話
 シアン・パイルが馬鹿だった以外はいい回だった。あの距離で超必出すとかないわ。